終活と聞くと多くの人が死の準備という言葉の重さから、寂しさや暗いイメージを抱いてしまうかもしれません。
「40代なのに終活なんて早すぎるのでは?」
と感じる方もいるでしょう。
私自身もそうでした。
しかし、父が脳梗塞で倒れ在宅介護が始まったとき、私物や財産、介護や医療の希望など、見直さなければならない問題に次々と直面しました。
その大変さから、ふと「もし自分に何かあったら、家族はどうなるのだろう」と考えるようになったのです。
私が思うに終活は“最後の準備ではなく、これからを心豊かに生きるためのエシカルな選択”だということ。
家族に余計な負担をかけない、自分らしい最期を考えることは、他者への優しさであり、同時に自分の心を整えることにもつながります。
この記事では私の実体験を通して見つけた大切な人との最期を心豊かに迎える準備と心の整え方をご紹介します。
もちろんこの考え方が絶対に正しいとは思っていません。
完璧を目指すのではなく「わたしらしく」 歩んでいくためのヒントとして読んでいただけたら嬉しいです。
本当の終活について知りたい方は”プロ”のサイトをみるのが一番です。参考までにリンクを貼っときます。
お仏壇のはせがわ>>終活(しゅうかつ)とは?いつから始める?今からやるべき7つのこと
太陽生命>>終活とは?何のために、どんな準備をすれば良いか徹底解説!
終活は”わたしらしい人生”を生きるための準備
終活は、決してネガティブなものではありません。
それは人生の終わりを考えることで、今をどう生きるか、そして”これから”をどう歩んでいくかを見つめ直す、とてもポジティブでエシカルな選択だと思っています。
- 終活=死の準備ではなく生き方の選択であること
- 家族と社会への負担を減らすエシカルな視点もある
- 「わたしらしい人生の締めくくり」を考える時間
終活=死の準備ではなく生き方の選択
終活は”どう最期を迎えるか”だけを考えるものではありません。
それ以上に大切なのは、これからの日々をどう過ごしたいかを見つめ直す時間です。
自分が大切にしている価値観や本当にやりたいこと、会いたい人。
そうした「人生の核」となる部分を再確認することで、毎日をより意味あるものに変えることができます。
終活は自分らしい生き方の羅針盤となるのではないでしょうか。
家族と社会への負担を減らすエシカルな視点
人生には、予期せぬ出来事が突然訪れます。
父が脳梗塞で倒れたときは私は山形で朝食を終えて、これから仕事しようと思った矢先に一報が入ったのを覚えています。
実家に戻り父の年金や保険などの手続きに追われ、その大変さを痛感しました。
だからこそ、早めに身の回りを整理することは、残された家族の精神的・物理的な負担を大きく減らすものだと感じており、一種のエシカルな行動でもあると言えます。
さらに不要なものを手放すことは、資源を無駄にしないサステナブルな視点にもつながります。

これは未来の世代への優しい配慮とも言えるではないでしょうか。
「わたしらしい人生の締めくくり」を考える時間
終活の過程で「私にとって本当に大切なものは何だろう?」と問いかける時間は、人生を豊かにしてくれます。
好きな音楽や思い出の食べ物、心惹かれる場所など。
それらを思い返すことは私らしい人生の物語を再構築する作業です。
過去を振り返るだけでなく、これからの人生をどう彩っていくか。
そのプロセスは、未来への希望にもつながるのです。
今からできる終活の具体的な準備について
終活は突然の出来事に備えて家族に「どうしたらいい?」という不安を残さないための、思いやりある行動です。
誰でも今日から始められる具体的な終活のヒントを3つご紹介します。
- エンディングノートで想いを言葉にする
- 生前整理でモノや思い出を整える
- 「ありがとう」を伝える準備をする
1.エンディングノートで想いを言葉にする
エンディングノートと聞くと身構えてしまうかもしれません。
自分の希望や大切な情報を書き留めておく、未来の家族へのラブレターのようなものです。
ちなみに私は100円ショップで買えるエンディングノートを使いました。
特別なものでなくても構いません。
連絡先や銀行口座、保険、延命治療や葬儀の希望などを残しておくことで、万が一のときも家族は迷わず動けます。
個人情報のためくれぐれも盗難にはお気を付けください。
2.生前整理でモノや思い出を整える
物を減らすことは、ただの片付けではなく、「本当に大事なものは何だろう?」 と自分に問いかける貴重な作業です。
父の在宅介護が始まったとき、身の回りの整理の大変さを痛感しました。
在宅介護を始めるにあたり、ベッドや車いす、段差(プレート)などが必要になり、不要なものは売ったり粗大ごみにしたりしました。
その経験から私個人は大切な書類や思い出の品をアタッシュケース一つにまとめています。
これが自分自身の人生をすっきりさせるきっかけにもなりました。
まあ、、もともと酒田で暮らしていたころは何もない生活を送っていたので(笑)
ちなみに母にもエンディングノートを渡したところ、最初は戸惑っていましたが、今では自分のペースで書き進めています。
終活は家族みんなが向き合うきっかけにもなるのです。
3.ありがとうを伝える準備をする
普段はなかなか口にできない感謝の気持ちを、手紙やメッセージとして残しておくのも立派な終活だと思います。
少し照れくさいかもしれませんが、その言葉は、残された家族の心を温かく満たしてくれます。
終活とは大切な人への 「ありがとう」 を形にする時間。
難しく考えず、できることから少しずつ始めてみてください。
その小さな一歩が、自分と家族の未来を心豊かにするはずです。
最近になりますが私も”ありがとう”という言葉を大切に使っています。
終活がもたらす心の変化
終活というと「死」というネガティブなものに向き合うように感じるかもしれません。
そうなのかもしれません。
しかし実際には、終活は私たちに”今をより大切に生きるための心の変化”をもたらしてくれます。
- 今を大切にするようになる
- 家族と本音で向き合うきっかけになる
- 不安が減り安心して日々を過ごせる
今を大切にするようになる
父の在宅介護を経験し「人はいつ何が起きるか分からない」という現実を肌で感じました。
それ以来、「あとどれくらい生きられるか」ではなく、「今日をどう生きるか」 に気持ちが向くようになったのです。
人生の有限性を意識することで、日々のささやかな瞬間がより尊く、かけがえのないものに感じられるようになった気がします。
家族と本音で向き合うきっかけになる
終活は普段なかなか話せない大切なことを家族と話し合うきっかけになります。
私も終活を通して、父や母の医療や介護に関する本当の希望を聞くことができました。
同時に自分の気持ちも素直に伝えることができ、家族の絆が深まったのを実感しています。
ご家庭によっては”まだ早い”となり喧嘩するかもしれませんが..
ただ「話しておいてよかった」 という安心感は、何物にも代えがたいものです。
不安が減り安心して日々を過ごせる
「もし自分に何かあったら、家族に迷惑をかけてしまうのでは」という漠然とした不安は、多くの人が抱えているものです。
大切なことを整理し、家族と共有しておくことで、その不安は軽くなるはずです。
そして「何かあっても大丈夫」という安心感が、日々の暮らしに心のゆとりをもたらしてくれるのです。
何もないことを祈りますが。

終活とは人生の「もしも」に備えることでもあり、今を安心して、自分らしく生きるための最高の準備でもあるのではないでしょうか。
親の終活から学んだこと。完璧じゃなくていいと思えた理由
終活は完璧に整えなければと考えがちですが、本当に大切なのは形式ではなく”その人らしさ”が伝わることだと考えています。
- 準備することで生まれる安心感
- その人らしさが伝わる終活
- エンディングノートが教えてくれたこと
1.準備することで生まれる安心感
父の介護が始まり、身の回りの整理を少しずつ進めたとき、家族にあった漠然とした不安が和らいでいくのを感じました。
物理的な準備が整っていくにつれ、これで万が一のことがあっても大丈夫という安心感が芽生えたのです。
この安心感は、父本人にとっても、私たち家族にとっても、かけがえのない支えとなりました。
当の本人(父)は今では何も考えなく楽しく過ごしていますし(笑)
2.その人らしさが伝わる終活
父の終活をサポートする中で、彼が何を大切にしてきたのかを改めて知ることができました。
アルバムに残されたお気に入りの写真や、家族の写真。
こうした 「その人らしさ」 が伝わるものは、どんなに高価な品よりも、残された家族の心を温めてくれます。
すべてを完璧に整える必要はありません。
大切なのはあなたの 人となりや想いが残ること
それも一種の終活ではないでしょうか。
3.体験談|エンディングノートが教えてくれたこと
エンディングノートを書き始めた当初は、パスワードや銀行口座といった事務的な項目ばかりに意識が向いていました。
しかし好きな音楽や大切にしてきたことを書き加えるうちに、不思議と気持ちが前向きになっていったのです。
ノートを埋めていく作業は、これまでの人生を振り返り、
「こんなに豊かな人生だったんだ」
と自分を肯定する時間にもなりました。
例えば、、
と書くだけでも新たな再発見があるかもしれません。
「高校の頃、こんなの流行っていたな。あの曲好きで聞いていたな。」
終活は最後の整理ではなくこれからの人生を再発見する時間
自分らしく、心地よく進めていくことが、何より大切だと思います。
まとめ|終活は心豊かに生きるための選択
終活は単なる事務手続きではなく、人生を振り返り、感謝と労いの気持ちを形にするための時間だと私は思っています。
もちろんこれが正しいわけではありません。
大切なのは「わたしらしく」人生の最後まで歩んでいくための、心豊かな道しるべを作ること。
あなたにとっての “心豊かな最後”とは、どんな時間でしょうか?
その答えを探すことこそが、終活の第一歩になるはずです。