都会の暮らしが嫌いだったわけではありません。
けれど、週の終わりになると 「深呼吸がしたい」 と感じることが増えていきました。
そんなときに出会ったのが“週末移住”という選択です。
ほんの数日ですが別の場所で過ごすだけで、張りつめていた心がすっと整っていく。
そんな不思議な感覚がありました。
最近では週末移住というよりも、お試し移住として体験する人も増えています。
- 本格的な移住はまだ不安
- 自然の中でリフレッシュしてみたい
そんな思いを抱える方にぴったりの暮らし方です。
この記事では私の実体験を交えながら、「わたしらしく」心地よく暮らすためのエシカルな週末移住のヒントをお届けします。
エシカルな週末移住って?|ちょっと暮らすことの魅力
週末移住は、観光とは少し違います。
その土地を訪れて「楽しむ」だけではなく、生活の一部を移し暮らすことを味わう選択肢です。
ここにエシカルな視点を加えることで、無理なく心地よい関係を築くことができます。
- 地域と無理のない距離感を保つ
観光客として消費するのではなく、その土地の人々と緩やかな関わりを持つことで、互いに負担のない関係をつくれます。 - 自分にも環境にもやさしい選択をする
大量消費を避け、地元の旬のものを味わったり、移動手段に配慮したり。
名所旧跡をめぐるよりも、ゆったり過ごす。
地元のスーパーで旬の野菜を選ぶ。
そんな生活感を楽しめるのが、週末移住の最大の魅力です。

ちょっとだけ住んでみることで、その土地の息づかいが感じられるようになります。
週末移住を探すためのヒント
私も地域おこし協力隊になるきっかけで知ったのですが、週末移住や本格的な移住を考える際に役立つ情報サイトがいくつかあります。
ニッポン移住・交流ナビ(JOIN)
全国の移住情報を網羅しており、「どんな地域やプログラムがあるのか」を眺めるだけでも発見があります。
ちなみに私はこのJoinから地方移住という選択肢を選びました。
スマウト
地域の人やプロジェクトと直接つながれるマッチングサービス。
この地域に関わってみたいと思えるきっかけが見つかるはずです。
気になった場合、現在活動している地域の方と連絡とることも可能であり、私にも問い合わせが何件かきたことがあります。(登録してから)
まずはこれらのサイトを眺めてみるだけでも、「こんな地域があるんだ」と新しい発見につながりますよ。
私の“週末移住”体験記|たった3日で心が整った話
週末移住を知ったキッカケは当時TVの報道によるもの。そこから調べて直接市へ問い合わせしたという流れです。
私の初めての週末移住は、秋の長野県の山奥でした。
たった3泊の滞在でしたが、その経験は私の心を大きく変えてくれた記憶があります。
🌿週末移住で体験したこと
- 朝、自然の音で目覚める
都会では聞こえない鳥の声や風の音に包まれて、自然と早起きに。心地よい一日の始まりでした。 - 木漏れ日の中でコーヒーを淹れる
慌ただしい都会を離れ、ゆったりと流れる時間の中で淹れた一杯のコーヒー。それだけで心が満たされていきました。 - 地元の人との何気ない会話に癒される
直売所やお店で交わす「この野菜おすすめだよ」といった会話が、心に温かさを灯してくれました。
特に何かをするというわけでなくのんびり過ごす。
日曜の夕方、帰るときには自然と「もう少しだけここにいたいな」と思ったことを今でも覚えています。
濡れた土の匂い。
木々を揺らす風の音、川のせせらぎ。
そのすべてが、都会で張りつめていた心をふわっとほどいてくれました。
週末移住は、ただ場所を変えることではありません。
五感を通して自分を取り戻す時間なのだと、このとき初めて実感したのです。

自然に身を置くと、忙しさで固まっていた心が不思議とほどけていくんです。たった数日の体験でも、変化があるかもしれません。
エシカルな“週末移住”の始め方|無理せず楽しむ5ステップ
「週末移住」や「お試し移住」を始めたいと思ったら、まずは行動してみることが大切です。
完璧を目指す必要はありません。
気になるという気持ちからで大丈夫。
ここでは、エシカルな視点を取り入れながら無理なく楽しめる、週末移住の5つのステップをご紹介します。
エシカルな週末移住の5ステップ
- 気になるエリアを直感で選ぶ
昔読んだ小説の舞台、旅先で立ち寄った町、なんとなく惹かれる場所。心の直感を大切にしましょう。 - 1泊2日の“暮らし体験”をしてみる
ホテルではなく、ゲストハウスやAirbnbなど「生活感」のある宿を選ぶと、その土地の雰囲気をより深く味わえます。 - 旅支度ではなく“暮らすつもり”の荷物を持つ
マイボトルやエコバッグ、お気に入りの調味料などを少し。環境にやさしく、荷物もコンパクトに。 - 地域と自然につながる体験をひとつだけ
道の駅で野菜を買う、朝市をのぞく、地元の温泉に入る…。無理のない範囲で地域との接点をつくってみましょう。 - 帰った後に“心の変化”を記録する
楽しかった気持ちや整った感覚を、写真・日記・SNSに残してみる。
その記録が「また行きたい」と思える場所かどうかの判断基準になります。
💰費用と準備の工夫も忘れずに
「週末移住はお金がかかりそう…」と不安に思う方もいるかもしれません。
宿泊費が無料の体験プログラムもありますが、交通費や食費は自己負担になることが多いです。
私の経験として
長野県の山奥へ週末移住したときは
・宿泊費は無料(市役所へ申請するための記入する)
・車で往復8,000円(高速代)+ガソリン代
・食費
山形県酒田市へ本格的に移住した場合
・新幹線+特急代:片道約13,000円
・車なら片道約10,000円+ガソリン代
続けやすくするためには、費用と準備の工夫が欠かせません。
費用を抑えるヒント
- 交通手段はシンプルに
まずは公共交通機関を利用。新幹線や高速バスの割引、青春18きっぷなど、お得な方法を探すのも楽しい時間です。 - 荷物はミニマムに
歯ブラシや部屋着など最低限のアイテムを「置きアイテム」として決めておくと、毎回大きな荷物を運ぶ必要がなくなります。 - シェアサービスを活用
現地で車や自転車が必要なら、レンタカーやカーシェアを利用。購入せずに済むので経済的にも環境的にもやさしい選択です。

“心が整ったな”と思えたら、それはきっと、あなたにとって大切な場所。大事なのは費用をかけることよりも、無理なく続けられる工夫なんです。
週末だけでも、自分を取り戻せるということ
週末移住は都会の忙しさから逃げる時間ではありません。
私が思うに本来の自分に戻る時間ということ。
都会で頑張る自分も、自然の中でリラックスしてほぐれていく自分も、どちらも本当の“わたし”
朝、カーテンを開けて太陽の光を浴びるだけで、心が洗われるような新鮮な気持ちになります。
予定を詰めない週末をあえてつくる。
その小さな余白が、自分を整える大切な時間となり、日々の暮らしに新しい豊かさをもたらしてくれます。
「何もしない時間が、わたしにとってはいちばん豊かな時間だった。」
この気づきこそが、週末移住がくれた最大の贈り物。

“逃げる”んじゃなくて“戻る”。その感覚を味わえるのが週末移住の魅力なんです。
まとめ|週末移住という、わたしらしい整え方
週末移住は、都会の忙しさから逃げる時間ではなく本来の“わたし”に戻るための、大切な時間です。
本格的な移住でなくても大丈夫。
週末にほんの少しの余白をつくるだけで、心は豊かになり、日々の暮らしはより心地よいものに変わっていきます。
最近では「お試し移住」を受け入れている地域も増えています。
無理をせず、あなたのペースで、あなたらしい方法で、新しい一歩を踏み出してみませんか?

あなたにとって“帰りたくなる場所”ってどんなところですか?