「本当に上手くいくのかな?」
「準備って何をすればいいんだろう?」
二拠点生活を始める前、私の心にはそんな不安もありました。
横浜と酒田を行き来する暮らしを決めたとき、酒田の拠点先と実家で荷造りリストとのにらめっこしていた気がします。
この準備を“エシカル”な視点で見直してみたらどうだろう。
たとえば、
ただモノを減らすのではなく”本当に大切にしたいモノ”だけを選ぶこと。
移動手段を考えるときも、便利さだけでなく環境へのやさしさを加えてみること。
完璧なエコライフを目指す必要はありません。
わたしらしく、心地よく暮らすための小さな工夫を取り入れるだけで、準備そのものが軽やかになり、未来の暮らしへのワクワクに変わっていたはずです。
この記事では、私の実体験をもとにしたエシカルな二拠点生活の準備リストをご紹介します。
モノの整理だけでなく、心のゆとりまでも生み出してくれる、とっておきのヒントになるはずです。
まず見直したい「モノ」との付き合い方
二拠点生活の準備で、最初に直面するのが「モノ」との向き合い方です。
持ち物が多いと、どうしても移動の負担が増えてしまいますよね。
だからこそ、引っ越しをただのモノを運ぶ作業と捉えるのではなく”わたしらしく暮らすためのモノ選び”に視点を変えてみましょう。
「これ、本当に必要かな?」と考えるのも大切ですが、
さらに一歩踏み込んで、
- このモノは、本当に大切にできるのか?
- どんな背景で作られ、環境にどんな影響を与えているだろう?
と問いかけてみると、不思議と手放すモノと残すモノがはっきり見えてきます。
結果として、荷物も心も軽やかになるはずです。
兼用できる・長く使えるおすすめアイテム
モノを最小限にするポイントは多用途に使えるアイテムを選ぶこと。
- 折りたたみバスケット
買い物や収納、そして拠点間の荷物移動にも大活躍。使わないときはコンパクトに畳めて場所を取りません。 - 二重構造タンブラー
保温・保冷効果が高く、自宅でのリラックスタイムから外出、新幹線での移動まで万能。
使い捨てカップを減らせるのもエシカルなポイントです。
ミニマリズムを取り入れるヒント
すべてを手放す必要はありません。大切なのは、あなたに合った”心地よいミニマリズム”を見つけること。
- 迷ったら持っていかない
少しでも迷うモノは、一度リストから外してみる潔さを。
案外なくても困らないことに気づけます。 - お気に入りだけを持ち歩く
使うたびに気分が上がるモノだけを選べば、荷物は減っても心の豊かさはむしろ増します。

『これで大丈夫かな?』じゃなくて、『これがあれば大丈夫!』って思えるモノを選んでみてください。不思議と移動も気持ちも軽くなりますよ。
移動手段の選び方にもエシカルな工夫を
二拠点生活では、都市と地方を行き来する移動が欠かせません。
移動の距離だけでなく、その”移動の質”に目を向けることで、暮らし全体が心地よくなります。
環境への負荷を考慮した交通手段
移動手段を選ぶとき、環境にやさしい視点を少し取り入れるだけでも、満足度は大きく変わります。
- 電車やバスを基本にする
公共交通機関は、自家用車に比べて環境負荷が少ない移動手段です。
地方では本数が限られることもありますが「車を使わない日をつくる」「必要な時だけ使う」といった小さな工夫も立派なエシカルな選択です。 - レンタサイクルやカーシェアを活用する
二拠点先で必要なときだけ借りるスタイルなら、車を所有せずに済みます。短い期間の利用であれば環境にお財布にもやさしい方法です。
ただし、地方ではカーシェアがまだあまり普及していないのが現状です(例えば「タイムズカーシェア」など一部の都市に限られます)。
そのため、実際には自家用車を持ち、必要に応じて使うのが現実的でベストな選択肢となる場合もあります。
実体験から見つけたエコな移動の工夫
移動中のちょっとした工夫で、ゴミを減らすのも立派なエシカルです。
- マイボトルを持参する
新幹線や電車に乗ると、ついペットボトルを買いがち。飲み物をマイボトルに入れて持っていけば、使い捨てゴミ削減にも節約にもつながります。 - お弁当や手作りおにぎりを持参する
駅弁を買う代わりに手作りを持参するだけでも、立派なエコアクション。慣れるとちょっとした楽しみにもなります。
ゴミを減らすという観点からすれば、駅弁は必ずしもエコではないかもしれません。
ですが私自身、新幹線で移動するときに、どうしても地方の駅弁に心惹かれてしまうことがあります(笑)
子どもの頃に食べた雪だるま弁当が良き思い出。
よく考えてみると、駅弁の多くは地元の食材や郷土料理が詰まっていて、地産地消を応援する選択肢でもあります。
旅先でその土地ならではの味をいただくことは、地域の経済を支え、文化を味わう行為でもあるのです。
「ごみを減らす」エシカルとは少し違うけれど、「地域を支える」エシカルとして駅弁を楽しむことは十分に意味がある、と私は思います。
大切なのは完璧に守ることではなく“その選択が誰かや地域にやさしいか”を考えることではないでしょうか。
省スペース&再利用できるパッキング術
荷物をコンパクトにまとめることも、エシカルな移動の大切なポイントです。
- 風呂敷:包む・運ぶ・敷くと、多用途に使える万能布。
- 詰め替え容器:シャンプーや化粧品をミニサイズにすれば、軽量化&省スペース。
- エコバッグ:小さく畳めるものを数枚携帯すれば、急な買い物も安心。
風呂敷は昔ながらのアイテムというイメージがあり、どこか古臭いと感じる人もいるかもしれません。
でも実際にはとても便利で、私自身もよく活用しています。
何かをきっかけに、いずれは若い世代の間でも再び流行するのではないかと信じています。
「完璧にやらなきゃ」と思わなくて大丈夫。
大切なのはできることから始めてみることです。
その積み重ねが、あなたの二拠点ライフをもっと心地よいものにしてくれます。

移動って“ただの移動”じゃなくて、暮らしの一部なんです。ちょっとした工夫で、時間も気持ちもぐんと豊かになりますよ。
心の準備も忘れずに|環境の変化とどう向き合う?
モノの準備と同じくらい、もしかしたらそれ以上に大切なのが 心の準備 です。
都会と地方では、時間の流れ、人との距離感、そして大切にされている価値観まで大きく違います。
「田舎暮らしはひっそりと静かに過ごすもの」
そう思う人も多いかもしれません。
でも実際には地域の人々が互いに声をかけ合い、支え合って暮らしている姿がありました。
地域とのギャップをやわらげる工夫
新しい環境に入るとき、戸惑いを感じるのは自然なこと。
焦らず、一歩ずつ地域との接点を増やしていきましょう。
- 市の広報をチェックする
都内で暮らしていた頃は忙しくてほとんど読んでいなかった市の広報誌。地方では月1回、市役所から届く広報が地域情報の宝庫になります。お祭りやイベントの情報も載っているので、見逃さずに活用できます。 - 掲示板を眺めてみる
スーパーや公民館の掲示板には、お祭りやフリーマーケットなどの地域情報が詰まっています。まずは「どんなイベントがあるのか」を知ることから始めましょう。 - お祭りや市民イベントに参加する
顔見知りがいなくても大丈夫。まずは「雰囲気を味わう」くらいの気持ちで参加してみてください。挨拶を交わすだけでも、地域に溶け込むきっかけになります。 - 顔見知りを少しずつ増やす
行きつけのお店をつくったり、散歩中に「こんにちは」と声をかけてみたり。小さな交流を重ねることで、安心できる居場所が自然と広がっていきます。
私のエピソード
地域おこし協力隊として活動を始めたとき、市役所の担当者から「市の広報を見ていますか?」と教えてもらったのがきっかけでした。
広報を開いてみると、地域イベントや募集情報がぎっしり。
協力隊として活動する上でも役立ちましたし”この土地で暮らす人たちが大切にしていること”を知る大切な入り口になりました。
ミニワーク|「自分にとっての心地よさ」を知る
- 好きな風景・音・においを3つ挙げる
「海から聞こえる波の音」「朝露に濡れた草のにおい」「風に揺れる木々のざわめき」など。どんな場所にいても、その感覚を思い出すことで、心の拠り所をつくることができます。
ちなみに、私が好きだったのは
「夜に騒々しいくらいの蛙の大合唱」
「遊佐町から見えた鳥海山」
「眺海の森 展望台から見える夕焼け」
そんな体験が、今でも心の中で大切な風景として残っています。
新しい環境で自分らしさを保つために、大切にしたい感覚をあらためて整理してみましょう。
焦らなくても大丈夫。
完璧な自分になろうとせず、環境に馴染んでいく過程をやさしく見守りながら、少しずつ 「わたしらしい心地よさ」 を育てていきましょう。

新しい環境に慣れるには時間がかかって当然です。小さなつながりを大切にしながら、自分のペースで“心の居場所”を広げていきましょう。
実際に使ってよかった!エシカルな準備アイテム集
二拠点生活を始めてみて、「これがあって助かった!」と感じたアイテムがあります。
どれもエシカルな視点で選んだものばかりで、暮らしの心地よさや安心感を高めてくれました。
サステナブルな日用品
日々の暮らしで使うモノを少し見直すだけでも、持続可能で快適な二拠点ライフにつながります。
- 風呂敷
- 繰り返し使える食器セット
- 自然素材のタオル
2つの拠点になじむ共通アイテム
モノを通じて“都市と地方の暮らしをつなぐ”のも、エシカルな工夫のひとつです。
- 地方自治体のロゴ入りTシャツ・ポロシャツ
観光地やイベントで手に入ることが多く、着ているだけで話しかけられることも。地域との接点が自然に広がります。 - シンプルで長く使える布バッグ
どんな服装にも合わせやすく、都市でも地方でも活躍。丈夫さもあり、長期的に使えるアイテムです。 - ローカルブランドのマグカップ
地方のカフェや作家さんの作品を拠点ごとに愛用するのもおすすめ。使うたびにもう一方の拠点を思い出し、心のつながりを感じられます。

暮らしが2つあるって、実はお気に入りが2倍になるチャンスかもしれません。心を満たすアイテムを少しずつ増やしていきましょう。
まとめ|準備とは自分らしく選びなおすこと
二拠点生活の準備とは、ただモノを段ボールに詰めることではありません。
それは、これまでの暮らしを一度立ち止まって見つめ直し、
「わたしにとって本当に必要なものは何だろう?」
と問いかける大切な時間です。
完璧なエシカルライフを目指す必要はありません。
大事なのは「自分が心地よくいられるか」という感覚を信じて、一つひとつの選択を楽しむこと。
モノとの向き合い方、移動の工夫、心の整え方まで。
この記事でご紹介したヒントが、あなたの二拠点生活をスムーズにし、安心して一歩を踏み出すきっかけとなれば嬉しいです。